blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2024年4月 7日

22歳の時に出会った映画「マンハッタン花物語」と母の日の思い出

Our new style gift for mother's day in JAPAN.

マンハッタン花物語という映画をご存知ですか?
私(谷口)は22歳のときこの映画と出会いました。


花を受け取った時、人はみな笑顔になるから、
花屋は世界一素晴らしい仕事だ。という主人公の
言葉に影響を受けて、
軽い気持ちで花屋でアルバイトを始めました。

映画のようなシーンはほとんどなくて、
仕入れてきた花の段ボールをひたすらつぶしたり、
ほとんど掃除という日々でしたが、
花屋の一大イベント、母の日になると、配達チームに配属されました。


配達チームは、私とオトーチン。
オトーチンは、その花屋の店長さんのお父さんで、
昔は時計屋さんをしていて、
引退してから、その時計屋さんの店舗で娘さんが花屋をはじめていて、
店の奥がご自宅なので、時々仕事を手伝ってくれていました。


当時は、ナビもなく、でかーい雑誌みたいなゼンリンの地図で、
住所とルートを調べて、配達する必要があったので、
母の日のような大量に配達のある日は、パリダカールラリーのように、
ナビゲーター(オトーチン)とドライバー(谷口)のチームで配達するようになっていました。


朝から順調に、次々と配達をクリアしていく配達チーム。
オトーチンは、基本助手席から動かず、現地に着いたら、
ドライバー谷口が、後ろから花をピックして、玄関までダッシュという流れでした。

母の日なので、ファミリー向けのマンションとか、一軒家への配達が多かったのですが、
お昼頃に、若い方の単身向けのアパートに配達があり、
あー、母の日と日にちは被ったけど、
お母さんへの贈り物じゃないものも、混ざっているのか。
と勝手な解釈をしていました。

玄関について、ピンポンしながら、伝票のお名前と送り主の確認をしていると、
想像していなかった、ご年配の女性が出てきました。
その瞬間に、あ、この花も母の日だった。と察しました。

住所を見ると、遠く離れた場所に住む男性でしたから、息子さんからでしょう。
そして、〇〇さんからお花のお届けものです。と伝えると
その女性は涙を流しました。
勝手な誤解で、予測できていなかったこともあり、
不意の涙に、何故か自分も涙が止まらなくなってしまいました。


次の配達に向かうドライバー席で、オトーチンに涙を見せないように、
気持ち反対側をに顔を向けながら運転していました。
その時の花屋のバイトは一年ほどで辞めてしまったのですが、
25歳の頃に、そろそろ一生の仕事を決めないと、
と考えた時に、あの花屋の仕事が自分の仕事かも、と思い花屋の道に進みました。

映画のことや、母の日の思い出のこともあり、
ずっと、贈り物としての花が、私の花屋のイメージの中心にありました。
今だったら、開業したら教室とかから始めるのがセオリーなのですが、
当時はまだ少なかったオンラインストアでのギフト花屋をはじめてしまい、
全然うまくいきませんでしたが、
それから24年経って、スクール事業や、ホームユース、イベント装飾や、海外事業など、
いろいろ仕事を増やしましたが、
ずっと変わらずアイロニーの中心にあるのは、
『ギフトフラワー』
でした。


誰かが誰かに気持ちを伝える。人を笑顔にする。
そんな花がやりたい仕事の中心にあります。
そして、この道に進みはじめたきっかけの一つにもなった、
母の日がまた今年も近づいてきました。

アイロニーでは、母の日の目標や予測設定時に、100件とか、100個とカウントせずに、
1オカンという単位を使っています。
何人のオカンを喜ばせたか?
それが重要です。

今年の目標は800オカンです。
1000オカンを超えた年もあったのですが、
無理せず、丁寧に、ロスも出さずに、それでいて
頼みたかったのに売り切れてしまった。。という人が出ないように。
ということで、800人のオカンを喜ばせたいと
思います。

そして、長すぎる前置きの後、ようやくナチュールキューブの話ですが、
そんなアイロニーのシグネチャーギフトフラワーになるようなスタイルをずっと模索してきて、

このスタイルには、
自然に戻すように生ける。
という普段から全てにおいて大切にしている、自然や花への敬意も表現できているし、
アイロニーらしいスタイルではないかと思っています。

ここ数年とあるブランドの特別ギフトに提案して、
数千件はお作りさせていただいてきたのですが、
このブランドも次のデザインへ変更の時期となってきましたので、
アイロニーの定番ギフトとして、
ナチュールキューブという名前をつけて、
一般販売も展開していき、
そのスタートを
今年の母の日に!という経緯になっております。

アイロニーのオーダーメイドギフトの
ワンサイドスタイルや、ロースタイルなども、
ジュエリーブランドからの顧客への贈り物として依頼があった際に、
特別スタイルとして提案し、採用され、その後定番スタイルとなったものですが、
その仲間として、Nature Cube (ナチュールキューブ)も
皆様に長く愛される贈り花になっていってくれればと
願っています。

#母の日 #母の日プレゼント

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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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