みなさまおはようございます。
毎年恒例のマダムミモザの話を再投稿します。
ご感想などいただけると嬉しいです。
このマダムのこの笑顔を見るたびに自分もこうありたいなと思います。
「マダムミモザ」
昨日パリ店に来店があり、女性がブーケを買ってくれた。
束ねてラッピングをしている間に、ミモザもあげたくなったと言って、
ミモザもひと束買ってくれた。
そしたら今日別のマダムがやってきて
昨日あなたのところブーケをもらったの!とニコニコ嬉しそうに店に入ってきた。
そしてミモザが欲しいという。
あー、ミモザ気に入ったんだね。と思って器から出そうとして話を聞いていると、
今朝ダメになってたからまた欲しくなったのという。
店にある元気なミモザと同じ仕入れの分なのでそんなはずないんだけど、
暖房ガンガンだったのかなぁ。
活けた時に水にとどいてなかったのかなぁ。
まぁでも、とにかくもらって1日でダメになるなんてクレームものだ。
クレームものなので、ミモザの代金は頂かずに
持って帰ってくださいという流れになるんだけど、
その間もずっと、いい香りだったわぁとか、
なぜか終始ご機嫌なのである。
お代金をいただかないことを告げて、ごめんね。と伝えると
まったく本当に本気の様子で、こっちが問題視していることが
なんなのかすらわかっていない様子で、
なぜあやまるの?
生きてる花だからダメになるでしょ?
と言った。
彼女の感覚では、いい香りのミモザをもらった。嬉しい。
でも翌朝しおれていた。じゃぁまた買いに行こうかな。
とただそれだけのようだった。
ミモザをもらえることを喜んでくれて包まなくていいわ、
私の腕の中に抱いて帰るのと言って、
腕を広げた彼女にミモザを手渡すと、
着ていた服と彼女の髪ととても似合っていたので
ちょっと待って写真を撮らせてと頼むと
こんな笑顔をくれた。
そして、見た感じより10歳くらい上の実年齢を言って
若いでしょ?いっつも笑ってるからかしらね。
みたいなことを言って
鼻歌まじりに帰っていった。
高校生くらいのときに、
"幸せ"というのは"技術"だ。
という言葉を読んで、
それからずっと心に残っているのだけど、
このマダムは達人というより
天才の域だなぁと後ろ姿を見送った。
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