3月11日でパリ店が8周年。
オープンまでの物語をnoteというサイトで
無料公開するのに記事を移行してくれています。
noteの投稿を読み返していたら、
パリ店オープン時のパーティのときの話があって懐かしかったので
こちらも再掲します。
『心が繋がるとき』
人と心がつながったと感じるタイミングって一生にどれだけあるだろうか。
普段なにも感じていてないようなところが震えるような瞬間を
人は人生でどれだけ味わえるだろうか。
花屋という仕事はそういう瞬間がたくさん味わえる仕事だと思う。
土曜のヴェルニサージュ(オープニングのパーティ)で
テオドラという女性が来ていた。
大切な友人の友人だった。
彼女がタバコを吸うために店の前の通りに一人でいたのに気が付いたので
そばに行って、楽しんでる?と話しかけた。
彼女はおれがその日に気持ちを込めて飾ったパリ店のウィンドウの花を見ながら
今お母さんを思い出していたのよ。と言った。
彼女のお母さんは花が本当に大好きな人で、
彼女にそのことをいつも話していてたという。
彼女は昔ファッションモデルをしていて、
すごくスピードの早い生活の中でそのときはそんなことに
少しも気がつかなかったんだって。
でも、2ヶ月前にお母さんが亡くなったの。
あなたの花を見てお母さんがよく言っていたことが今は理解できるわ。
と言った。
俺は少ない英単語を駆使してお母さんはとても素敵な人だねと伝えた。
テオドラの少し皺のある目尻に涙が見えたので、急に思い立って
店の中に戻ってイブピアジェを束ねていた作り置きのブーケを包んであげた。
あなたは私の大切な友人の大切な人だからこれをプレゼントするよ。
あなたは今日家に帰ったあともお母さんを感じることができる。
自分がろくにしゃべれない外国人だし英単語だと
こういうこともシンプルに伝えられる。
テオドラはすごく喜んでいた。
そのあと、数人で輪になって話をしていた時に、
彼女が急にそうだわ!みたいな何かを言い始めて
俺の友達もおお!そうだそうだ!みたいなことを言い出して、
財布から小銭を出して、その小銭をぴょいっと店の中で捨てるように投げた。
テオドラも財布から小銭を取り出してちょっと離れたところにあった
棚まで行ってそれを裏の隙間に投げ入れた。
あいつらなにしてんの?と日本語がわかる友人にきくと、
新しい店の成功を祝うおまじないのようなものなんだって。
俺は、この古いおまじないをテオドラがしようと
言い出してくれたことがめちゃめちゃうれしかった。
親愛の表現に感じられた。
日本だと感じないかもしれない。
でもおれがここではよそ者だからか余計にそう感じられた。
理由はどうあれ、おれはまた今までに何度も感じたことがある
この感覚を感じることができた。
苦しいなぁと思っているときにいつもそれはやってくる。
フェイスブックとかブログではポジティブなことしか書かないけど、
人並みに上手くいかないことももちろんある。無理してるから余計に人よりある。笑。
その度に、こういう経験があって、またどんどんはまっていく。
花は本当に人の心を繋いでくれるすごいものだと思う。
おれは恥ずかしげもなくこういうことを書いて、
そのことを伝えるのが仕事なのかもしれない。
やばい明日は4時から仕入れだエロサイトみて早く寝よう。
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