blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2020年5月13日

芍薬:Etched salmon (エッチドサーモン)


Etched salmon (エッチドサーモン)

芍薬、ピオニー、ピヴォワンヌ、の季節がやってきました。

なかでも、ここ最近とくにたくさん目にすることになった

お気に入りの品種があります。

エッチドサーモン。

画像管理ソフトで調べると、一番初めにとっているのは2010年。しかし記憶を辿ると芦屋店を一人でしている15年くらい前に花をトラックに積み込んで行商に回ってきていた姫路生花の大西が、これ絶対買ったほうがいいと押し売りしてきたのを覚えている。

冷蔵トラックにたくさんの花を乗せて姫路から販路を切り開くために、阪神間のお洒落花屋を回っていた大西のトラックの中には、いつも他の市場では見たことない花があった。大西が全国の生産者を自分で回って農家さんと飲んで集めてきた花だった。

他の花屋よりいい花を仕入れるために、我々阪神間の花屋はなんとか大西のトラックを一番はじめに寄らせようとやっきになっていた。

大西のトラックが来たら、どんな仕事もいったんおいて、待ってましたとキンキンに冷えた冷蔵トラックによいしょと乗り込んでハンターのようにいいものを探すんだけど、
この芍薬は、硬い蕾の段階ではうぐいすぼーろみたいな感じの芍薬のつぼみあるなぁ。。くらいでで見逃してしまっていたのを、きづかへんかぁとニヤリとしながら、

買ってないのに、これも買っとけと、勝手に入れられてしっかり伝票もつけられていた。

これは当時よくあることで、大西も販路拡大で会社に提案して行商に出ているので、売るのに必死なので、当時始めたばかりの小さな花屋のアイロニーが買うのが少ないと、そんな量ではお前のところにはまわらないぞと、勝手に追加をして伝票つけておいてく。
それに水揚げしながら気づいて、文句の電話をかけて、ケンカするといういうことがよくあった。

この時も多分また押売られたとさんざん文句を言っていたのだが、数日後、咲いてきたエッチドサーモンを見て、感動して、この前ごめん次も入れてとすぐに電話をかけた。

俺のように、気づかない人が多いのか、それからもこれを作ってくれる生産者は少なくて、なかなか見かけなかった。

東京に店を出してからも、大田市場でも少しだけ見かけていたくらいだった。

そして、エッチドサーモンって、本当はエッヂドだけど、誰かが間違えたんだろうと勝手にエッヂドと覚えてブログなんかにも書いていたんだけど、パリに店を出してからランジス市場で再会したときに、伝票にEtched Salmon と書いてあり、あ、またごめん。となった。

そんなエッチドサーモン。

今年は枝変わりでエッチドサーモン優美(ゆうび)(伝票では流通時の文字数の都合でエッチドサーモンUBと表記されているよう)という品種も出てきて人気を博している。

しかし、やっぱり俺的には元祖のほうが好き。

なんともエロい。

そんなエッチドサーモンを今週のオンラインレッスンのラセゾンで束ねたいと思いますのでぜひぜひお申し込みください。

17日(日)18日(月)受け取り分ともに若干余裕あります。

https://www.illonyshop.com/product/885

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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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