今回は、いろいろな人と話をさせてもらう中で、よく聞いてもらう質問についてお話しさせていただこうかと思います。
わたしタニグチはいま、jardin du I'llony (アイロニー)という店を
芦屋、青山、パリ と3店舗経営しています。日本人では初めてパリに支店をもった花屋となっています。
ほぼ毎月の20日はパリで仕事をして、毎月10日は日本に帰って芦屋と青山の店で仕事をしています。
日本の二つの店では、店頭での切り花も販売もしていますが、厳選した高級素材で作るアイロニー独自のスタイルのアレンジやブーケは、特別な日のギフトフラワーにつかわれることが多いかなと思います。そして、それは一般的なものよりも少し高価なものになるので、広く一般にというより、こだわりと余裕のある方が顧客の中心になっている店といえると思います。
近所の人たちに対してビジネスをする昔ながらの花屋ではなくて、
独自のスタイルをもって、ターゲットを絞っているので、商圏は広げてネットで全国に発信をして、
オンラインストアからオーダーで日本全国発送するという仕事の割合も多いですし、スクール事業なんかも日本全国各地から同業者が習いに来てくれたり、海外から来てくれる同業者も少なくありません。
さて、そんなアイロニー がパリに店を出した理由というのは、ほんとに詳しい背景とか心情とか経緯は、以前に有料ブログとして全13話で発表した『AVEC LES FLEURS』というアイロニー パリ出店までのいろいろな出会いや苦悩の物語を読んでいただけるとありがたいのですが、https://www.illony.com/tanibl.../2015/.../avec_les_fleurs_1.html
ちらっとお会いした方に聞かれて、そう答えるわけにもいかないのでかいつまんで要点をまとめています。
それでもきちんと伝えるのは難しいのですが、
一番簡単に説明するときは、
花の世界にも、フランス料理、イタリア料理みたいなジャンルがあって、アイロニー がしてることはフレンチのスタイルをベースにしています。日本でフランス料理店をしているシェフが、自分の料理で本場フランスにレストランをだしたらどうなるか挑戦しているという感じです。
と説明しています。
ちょっと花業界の人や詳しく話を聞きたいという人には、
もうちょっと事情を説明しています。
本当にいくつか理由があるのですが、
なかでも大きな理由は。
アイロニーは、
世界一好きな花屋だと言ってもらえるようになりたい
という理念があります。
世界一好きな花屋がある人っていますか?
たくさんの花屋をしっているけど、
ここが世界一好きな花屋だ。っていうのがある人生って
幸せなことだと思うんです。
そういう店にしていくためにずっとアイロニー っていう店をよくしていきたいと思っています。
それをしていくために、毎日毎日寝る時間も惜しんで働いて、自分たちの綺麗と思う花をどんどん磨いていってるんだけど、
そういうことが全然求められていない仕事も多くあるんです。
花屋ってお客さんのニーズに合ったものを形にしますよっていうタイプの花屋も多いんです。
例えば、花屋の仕事でみんなが憧れるような仕事で、高級ブランドのイベントの大きな仕事なんかがあります。
アイロニーは芦屋でオープンして2年目くらいで、某フランスの宝飾ブランドの偉い人に見つけてもらって、ブティックに飾る毎週の花や、顧客のバースデーに贈る花を担当させてもらえるようになって急成長したんです。
それは誇らしいことだったし、自分の花のクオリティが認めてもらえたと嬉しかったし、多くの人もそう感じて、さらにたくさんの別のブランドの仕事も任せてもらえるようになりました。
非常にありがたいことだったのですけど、でもときどき違和感を感じることもあったんです。
ブランドによっては、フランスやアメリカの本社から写真が届いて、これを真似してやるようにと言われるんです。
別にそのフランスのフローリストのクリエーションがすごくレベルが高いわけでもないし、
季節も違うし、日本の素材の方が綺麗で任せてもらえれば、
もっと綺麗なのできますよ!
と何度か抵抗しながら結局うちのテイストでは花は入れさせてもらえない仕事を何度かしているうちに、うちの実力不足だなと思いました。
フランス本社にしたら、日本のどこの馬の骨かもわからない花屋なので、そりゃあ任せられない。
ということで、世界で認められて、アイロニー の花じゃないと嫌なのっていう仕事だけで店を運営していけるようになればいいやん!という結論にたどり着き、
それにはパリを拠点にするのが一番いいなと思ったのです。
今パリに店をオープンして4年目となりましたが、パリの5つ星ホテルの装花を、お前が綺麗と思うようにいけてくれればいいと任されたり、
パリの花屋を知り尽くした、貴族のマダムから、イベントの仕事や、お城の装花を依頼されたり、
ハイブランドも顧客への花を依頼してくれたりと、少しずつではありますが、パリでも認知が広がってきましたし、
世界からトップフローリストを講師に集めている、フラワースクールニューヨークからも、マスターフローリストとして招待してもらったり、パリの店には世界中からフローリストたちがレッスンを受けに来てくれています。
アイロニーの花じゃなくてもいいという依頼は、断ることも多いので、まだまだ3店舗経営が安定しているという状態ではないので、まだまだ頑張らないといけませんが、
おかげでなかなかできない挑戦と経験をたくさんさせてもらっています。
そしてなにより、パリにはここに花を飾りたいと思わせてくれる美しい空間がたくさんあるのです。
オペラ・ガルニエやベルサイユ宮殿でイベントの装飾をするというわかりやすい目標はまだまだ叶っていないので、引き続きみなさま応援のほどよろしくお願いします。
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