エステルが小躍りする、テーブルの庭のデコ

パリ店スタッフのエステルは、
このテーブルの庭のデコが好きで、この仕事をするときには小躍りする。

この日も休みなのに、いつつくるの？いつつくるの？と聞いてきて、
月曜だよというと休みなのに出てきて参戦。
何度も作っているので、イメージや素材を説明して任せてみると
おれよりも細部までこだわって作ってくれる。

おれも彼女から学ぶべきことが日々沢山ある。
彼女はまだ、ブーケやボックスフラワーなんかをつくるのにも
時間がすごくかかるんだけど、手が遅いことよりも、めちゃめちゃ細部にこだわっている。
彫刻を学んできたからだろうか、いつも１００年のこせるような
特別なものを作るスタンスで挑んでいるようにみえる。

彼女はおれのような日本の田舎の庶民からみてというわけじゃなく
誰からみても、いわゆるヨーロッパの豊かなクラスの生まれの人で、
いまはおれのお客さんにもそういう人が多く、
彼女を通してお客さんのことを知ることがすごく多い。

こういうスタンスで魂を込めるように、日々のブーケを束ねる姿をみていると、
おれのお客さんたちはこういうものを求めているのだと気付かされるし、
小銭を稼ぐことに追われているだけでは、いつまでたってもそこから抜け出せない。

ワークライフバランスとか働きかた改革とかも、

自分がどのくらいのものを手に入れたいのか？

によって内容はかわってくる。日本は戦後より豊かなんだろうか。
24時間戦えますか？みたいなCMが流れていた時代よりも豊かなんだろうか。
未来や希望ということに関しては、もっと危機的状況のようにも感じる。

職人仕事を生業にする日本の会社の経営者としても、

パリにきてより美しいものを生み出そうとしている衝動をもつ一人の人間としても、

考えさせられる、

そんなテーブルの庭のデコ、あなたのディナーの席にもいかがですか？
パーティ装花、日本でもパリでもうけたまわりまっせ。

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