今日は、とあるペーパーメディアの取材があった。
文化的感度や教養の高いフランスの人々に向けて、
他の既存メディアよりも深いレベルで、
日本の優れた文化、歴史及びアートに関する情報を
発信することを目的に刊行していて、
毎号、日仏を跨いで活躍する人へのインタビューをメインで掲載している。
というペーパーメディアらしく、
第一号 斎藤峰明さん
第二号 石井リーサ明理さん
第三号 ムラティアン バラムさん
第四号 奥田透さん
第五号 田根剛さん
第六号 マチルド ブレジョンさん(近日中に発行予定)
ときて、次にこの花屋のおっさんが登場するらしい。。
さて、おれがそんなのにふさわしいかどうかは、
作ってる人が決めることなのでさておき。
なんだか、違和感の残るインタビューをしてしまった。
終わってからずっとこの違和感について考えていて、猛省している。
おれはフランス語は相変わらずゼロに近く、英語も相変わらずカタコト。
ただ花を見てもらって気に入ってくれた人が仕事をくれている。
ある意味それはおれが望んでいたことではあるんだけど、
今日は大失敗をしてしまった。
ダサいことをしてしまった。
このペーパーメディアは、東京都がパリの会社に委託して、パリで発行している。
今日インタビューに来てくれた人は、日本人で、
どうしてパリに来たのか、とか、
日本とパリでの仕事の違い、とか、
今まで何度も聞かれたことが質問だった。
おれは何度も答えたことがある答えをまた話していたんだけど、
話終わって気づいた。
自分をみる目線が、日本人だったということを。
なんだか、パリにきて仕事をし始めて気づいたことなんかを、
得意げに話して、インタビューしてくれてる方もうんうんと聞いてくれたんだけど、
終わってからもう一度そのメディアの配布のされ方とかを話していて、
冷静になって、ようやく気づいた。
例えば、自分の思う綺麗という感覚を最優先する。
というフランス人のフローリストたちがあたりまえにやっていることを、
多くの日本人のフローリストはできていないこと、していないことがあって、
そういうところにもっとこだわっていきたいから、
フランスでそこにもっとこだわって花を作り続けて
アイロニーというブランドを世間に対してしっかり確立したい。とか、
花を飾りたいと思う空間が日本よりたくさんある。
なんていうようなことは、日本にいたころ、パリに店をだしてすぐくらいの話しで、
なおかつ、日本から海外に行って仕事してるんだこの人という目線でみてくれている人には、
そうなんだー。くらいには思ってもらえるかもしれないが、
そもそもそんなことがあたりまえのフランス人が読むメディアに
それが書いてあっても、何言ってんだろうこいつ。
とその先読む気にもなれないんじゃないだろうか。
もちろん、日本の農家のつくる素材の素晴らしいところ、
日本の花市場という背景で出来上がったアイロニーというスタイルについて、
話すことはできたけど、
話している間、
フランス人が聞いて興味深い内容について。
を意識して話せてなかった。
これは多分普段からそれが少ないからだと思う。
SNSをたくさん使ってアイロニーの花を発信していく際は、
花だけじゃなくて、写真も頑張ってきたし、
考え方、人間性なんかを恥ずかしげもなく
あけっぴろげて話すことで、少しでも興味を持ってもらってきた。
インスタライブなんかをしていると、
その部分にも興味を持ってくれている人がたくさんいると思う。
これは、フランス人やその他の国の人相手にこそもっと必要なことで、
もっと深く掘り下げて、
もっとオープンに、
話せるように、なおかつそれが、
いろいろな人の目線を意識して、話せないといけない。
例えば、レッスンに関していうと、
日本人や韓国人にレッスンするときは、
自分の感覚を一番大事にしてみて、何が正しいかじゃなくて、
自分がどう感じるか、にフォーカスしてみて。と話すことが、
いい結果に繋がることが多いけど、
フランス人やアメリカ人、ブラジル人にレッスンするときは、
こういうことを言っても、すでにそれはあたりまえにできている人が多く、
心を静かに落ち着けて、一つ一つの動作を意識して、
花一本一本それぞれと向き合ってみて、というような、
禅のようなところに通じる気持ちを話してみると、
いい結果につながることが多いと、感じたことがある。
これは、レッスンだと、マンツーマンなので、
欧米人に対しての目線で何を話すべきかに気づけていたからだろう。
フランス人に向けてのメディアへのインタビュー。
普段からの意識の低さが露呈したなぁと猛省です。
花を見てもらうだけじゃなくて、
やはり日本と同じように言葉も使えないとダメだ。
ブランディングのためにアイロニーの花を
もっともっと掘り下げるんだとか言ってても、
それも日本人目線でばかり掘り下げていたと気づいた。
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