揺れる心の動きもさらけ出すことも、花屋には必要である。

今日は朝仕入れで早起きだったし

早く帰って映画でも見ながら寝ようと思ってたら

コアンシドンス前でアルボンに飲んでいけよと呼び止められる。

メニル通りは酒には困らない。

これ飲んだら帰ろうと思ってるのに、

どんどん注がれてなかなか帰れない。

とある人に、あなたはやりたいことに

どんどん挑戦できて羨ましいわと言われた。

おれの仕事の9割9分は、やれない理由を潰していくことと

潰せてないことと戦うことで、それに追われる毎日やっちゅうねん。

といってやろうかと思ったけど、1分でもやりたいことに

挑戦できる時間がもてることはラッキーなのかもしれない。

リスペクトしていたとある大御所フローリストが

鬱になって店を潰したという話を聞いた。

よく考えるとおれのいまの状況もなかなかのもんだけど、

なんとか毎月毎月乗り越えていける精神力は

両親の大きな愛情のおかげだなぁとしみじみ思いつつ、

月に4日しか会わない息子を思うとなんか泣けてくる。

ところでこういうことをSNSで投稿して恥ずかしくないのかと

言われることがあるけど、おれはこれをしてるから、

人があまり他人に見せない気持ちを伝えるような花を頼んでもらえる。

花屋はちょっとバカなくらいがちょうどいい。

人がちょっとした気持ちを打ち明けられるようなバカでないとだめだ。

たまになんかかっこつけてる花屋を見かけるけど、

そんな奴には恥ずかしくて心のうちは打ち明けられないものだ。

なかなか触れることができない濡れ濡れの心のビロビロに

ソフトタッチで触れてそれを花に託して別の人物に伝わる瞬間を味わったら、

もう花屋という仕事はやめることができない。

ああ。もうだいぶ酔ってきたのに

またアルボンが踊りながら4杯目を注いできた。笑。

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