思い起こせば1年半ほど前だったか。
10年来の友人に話があるから食事に行こうと呼び出された。
アイロニーがオープンして間もない頃、とある雑誌の取材がきっかけで知り合ったこの女性とは
ときどき手紙やメールでやり取りしたり、店やどこかのイベントで顔を合わせたり
数人の食事の席で顔を合わすことはあったが、二人で食事に行くのは初めてだった。
一体何の話だろう。。愛の告白かもしれないな。。などと考えながら行って見ると
本当にやるべきこと、こころからやりたいことが見つかったと
俺より少し年上のこの女性は少女のように目を輝かせて話してくれた。
埋もれている才能をたくさんの人にしってもらったり
自分が本当にいいと思ったものを人に伝えることが出来る店がしたいと。
それこそが天職だと。それが見つかったと。
その少し前に大きな病気を患った彼女から聞くその話は本当に嬉しかった。
が。ちょっと待て。
俺って。。なんだっけ?と思っていた頃。。
でね。谷口くん、そのカフェには花屋があるの。
その花屋は谷口くんにプロデュースしてもらうことにきめているの。
と言った。
海外の有名なフローリストが日本で店を展開しているのは見かけるけど
俺が?笑。
という感じだった。笑。
いつかは。
という話だと思って聞いていたので、俺もその頃にはもしかしたらそんな花屋になっているかもしれないので
もちろんやるよ。と二つ返事でOKした。いつかはそんなことがあればいいのになぁと思っていた。
その夢物語はわずか1年半で現実になった。
なにもかも手探りで不安でいっぱいといった感じの彼女だが
周りには、彼女の優秀な子供達3人がそれぞれの得意なことでサポートし、
そうしてもらうことが彼女の子供達への教育とか愛情だということがよくわかる。
そしてさらにそのまわりにも素晴らしい才能を持った人たちが集まって彼女を支えている。
店というのは生き物だから、そういう表情はすぐにわかる。
この店はいい店だ。
足を運ばせる何かが充分にある。
それは彼女が生きてきた証でもあるように思う。
実はこの店は俺が聞いた彼女の最終目標ではない。
その途中だ。
それでも、彼女が生きてきた証そのものだと思う。
だから今日あんなにたくさんの笑顔があったし、その笑顔の裏には涙もあった。
そんな店に関われたことを誇りに思う。
こういうのがやっていて楽しい仕事だ。
店というのは木と同じ。
まだ植えただけだ。
これから根を伸ばしていく。
でかい木になって何年も後もここに来る人を癒せばいいなぁと思う。
美佳さん本当におめでとう!
SiEMA CHERiE
滋賀県守山市勝部1丁目13−1
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