blog du I'llony 世界一好きな花屋といってもらえるように 芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーオーナー谷口敦史のブログ

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2011年3月29日

花のちから5



気持ちが少し落ち着いたように感じるのは時間が経ったからだろうか。

直視し続けなければいけないものはある。


先週 花のちから という無料配布による募金活動はまた広がりをみせた。


今月に入って初めての休日、息子と二人で買い物に向かっているとき

ツイッターで、あの糸井重里さんが

こんなときだから花を買おう、と思っていたのだけれど、なかなか買わないまま時間が過ぎていた。犬の散歩から帰ってきた家人がガーベラを一輪手にしていた。「あ、いいね」とぼくは言った。「もらったの、こんなときだから花をって、配ってたの」。みんな同じようなこと思ってたんだね。


とつぶやいてくれた。

奥様の樋口可南子さんがこの辺りで犬の散歩をしているのは知っていたので、わっ!と思った。

ハイナンガーベラさんという生産者の方が送ってくださったガーベラなんですよと糸井さんにつぶやくと、


うれしい思いつきをありがとう。ガーベラ、かわいいです。


と返事をくれた。

32万人もフォロワーがいる糸井さんのこのツイートによって、僕のところにもたくさんの人がコメントをくれ、一気に150人ほどフォロワーも増えた。


そして、これが僕の苦悩の始まりだった。


コメントの中には、何か手伝える事あったら言ってください。という風に言ってくれる人がたくさんいた。


これはとてもうれしいことなのだけど、

反面どこかで僕に 今まで以上の事ができるんじゃないかお前。と思わせた。


この花のちからを利用して、もっと多くの人に安らぎを届けるべきだと思わせた。


近くの公営住宅やホテルなどに避難してくる被災地の方々に花を届けようという流れもできて、

それなら、橋本知事に駄目元でツイートしてみよう!と見当違いなツイートを投げかけたりもした。


市などのHPにボランティア募集のページなどもあったので、そちらに連絡するべきだった。


その後、東京のホテルに被災地の方が避難されていると教えてくれる人がいて、

その方と協力して、そこに花を届ける事にした。


でも、なぜかそれを作っている最中に、

店の前で無料配布をしようとしたときのような使命感のようなものは感じなかった。



もちろん必要なことだし、きっと喜んでくれるひとがいるはずだ。


でも、どこか無理に花をつかって何かしなければというところにとらわれすぎているような気がしてきた。


今たくさんのクリエイターが自分の能力を発揮して、被災地支援をしている。

それは本当に素晴らしい事で、自分にもできればと思うけれど、


自分の職業や能力を発揮することにとらわれる必要はない。

ましてや、それを生かすすべが見つからないからといって何もできないと嘆く必要は

絶対にない。


募金や節電。できる範囲ですればいい。

今活躍してる人は瞬発力がある人たちだと思う。


そうじゃない人は、持久力で少しの事でもずっと長くやっていけたらいいと思う。


ふとツイッターやミクシーで元気がなさそうな知り合いに花を送ろうかなと思った。

そう思ったら、花の配布を始めたときのような気持ちを感じた。


そうやって思いをしっかり花にのせて

つなげていければいい。










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Auther

florist jardin du I'llony
creative director
Atsushi Taniguchi

谷口 敦史
1975年3月31日生まれ

芦屋と南青山とパリに店を構える花屋アイロニーのオーナーフローリスト。 独学ながら自然のバランスと花のもつ色気をコンセプトにしたデザインが多くのブランドに認められ店内装花やイベント装花などを手がける。 企業への花をつかった商品企画や広告への花写真の提供など幅広く活動。 自身の撮影による写真集FLOWBULOUS(フラビュラス)は現在ISSUE3まで発刊し累計45000部突破。

多くの人に世界一好きな花屋がある人生の豊かさを感じてもらうことを目標に邁進中

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