「イッテラッシャイ!」
週に二日イケコミで訪れる、某ホテルの駐車場係のオジサンはいつも、
帰り際の僕にレシートを渡しながら、威勢のいい声でこう言ってくれる。
他の係員たちが言わないところを見ると、オジサンの“オレ流”なのだろうが、
ただこの何気ない一言が、朝から僕の気分を軽くしてくれるわけで、
こういうさらっとした心くばりは、非常に素晴らしいと思う。
これまで数年にも亘って週二日となると計何百回という朝、
僕を気分よく送り出してくれるこのオジサンのアイロニーへの貢献度は計り知れない。
このように人は、知らず知らずのうちに他人に影響を与えているのだ。
七月を迎えて、イノウエがフルタイムスタッフになって約一年が経ち、
ヒラノ,フルカタとの三人体制で店の接客を担当するようになってからは特に、
満面の笑顔でご来店された常連さんを、彼女たちが店先で元気にお見送りするという、
そんな微笑ましい場面を、当たり前のようによく見かけるようになった。
横で聞いていても、電話や接客のでに気の利いた一言をバシッと決めてくれる。
顧客の方々により充実したサービスを、という目標を持って取り組んできて一年、
何か少しずつ積み重ねた彼女たちの努力が、ひとつの形になってきたような気がする。
そしてご来店いただいたお客様が、アイロニーで元気や癒しを感じてもらえる、
なんてことがあるとするのなら、こんなに嬉しいことはないし、
手前味噌ながら、なんてスバラシイ店なのではなかろうかと思う。
しかしまあ、向こう三軒両隣にまで響く彼女たちのオモシロ接客には、
2階でタニグチやケンと仕事をしながら、思わず吹き出してしまうこともしばしば。
最近では彼女達のパワーは、いつの間にやら近隣の店やお宅をも巻き込んで、
この打出界隈でのご近所付き合いも、アイロニー史上最高に活性化されてきた。
今年は打出神社の夏祭りに、お向かいのご家族とご一緒させて頂いたりもした。
例年祇園祭の頃には明けるはずの梅雨が、明ける気配もなく8月が訪れようとしている。
夜には花火があちこちで上がり、浴衣とうちわが涼しげに映る。
子供たちはひとまず、宿題のことは忘れて遊んでる。
路地を歩けば、縁側から漂う蚊取線香の香り。
とかく日本の夏は風情があってよろしい。
そしてまたいつもの調子で油断してるうちに、夏はあっという間に過ぎていくんだろうな。
根本から順番に咲いていく胡蝶蘭が、珍しく満開に。
梅雨のジメジメした熱帯雨林気候も、彼らにはちょうど心地イイようで。。