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2008年02月 アーカイブ

2008年02月02日

知恵。

 
 
恐れながら最近のテレビCMに物申したい。

CMの最後に、「詳しくはウェブで…」などと言って、

検索ワードを表示してカチッという、芸のないあれである。



確かにホームページに誘導することができれば、

数十秒のCMとは比べ物にならないほどの情報を

提供することができる。

それは、わかる。。だけどさあ…



僕はその企業の資質までをも疑ってしまうほどに、

あの手のCMには否定的である。

TVがネットに屈した、という大袈裟な見方もできてしまう。



そもそも、CMや広告、コピーというものは、

限られた条件の中に,より多くの情報を判りやすく,

センセーショナルに,時にはドラマティックに,

小気味よいユーモアをもって,いかに表現するか、

というところが醍醐味であり、製作者の腕の見せ所ではないか。

そこに消費者は惹かれ、商業的効果も伴っていくものであってほしい。



これはCMや広告に限らず、全てのものづくりや、

あらゆる仕事にも共通する。

例えばスポーツメーカーが、たった1gシューズを軽くする為に、

気の遠くなるような努力をしているような、そんな感覚だ。



年が明けたと思えば、あっちゅう間に2月!

時間というものこそ、限りあるはずだけれど、

人はしばしばこの大切なことを忘れてしまう。



その昔、建築学校で教わったことがある。

「無限の条件と時間の中で美しいものを作るのは誰にでも出来る。

 制限された条件と時間の中で美しく仕上げることが重要である。」
 
 

この言葉、日々いろんな場面で、近ごろ特に身に染みて感じる。

「知恵を絞り出せ…」

何処からか賢者が我々にそう囁いているような気がするのです。。
 
 
 
 
 
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2008年02月08日

毛布。

 
 
ここ数年、気に入ってシルバーのブレスレットを付けている。

 
 
それは、映画「ディナーラッシュ」で、主人公のシェフが、

シルバーのブレスレットを揺らめかせながら、

ロブスターをさばいている姿が最高にカッコよかったからだ。


意外なところに影響を受ける性質の僕はこうして、

ブレスレットを仕事場ではあえて、水仕事の時も土仕事の時も、

後で洗えばいいやと、花器を傷つける恐れのない限り、

お構いなしに付けていると、何故か気分がよい…


と、僕のくだらないコダワリのように、そのものがなんにせよ、

きっと人にはそれぞれの、“ライナスの毛布”を持っていて、

それが、モチベーションを上げたり、心を平穏にしたりという、

他人にはわからない思い入れが、それにはあったりする。


 
 
先日、33歳になった。

ありがたく仲間たちに祝ってもらった。


「フンッ、独りで生きていってやる。」

と勘違いしていた、愚かな若かりし日々は過ぎ去って、

いつの間にか自分が素敵な人達に囲まれていることに、ただ感謝!



おかげで、人生は味わい深い。

やれやれ、歳を取ることで強くなったのやら、弱くなったのやら…



いや、それはきっと…



シェイクスピアが、「鉄の鎖で結わえつけておけ」と綴った、

“間違いのない本当の仲間”とは、これなのかも知れない。
 
 
 
ブレスレット,仲間たち,ライナスの毛布…



確か、「ピーナッツ」の中で作者シュルツが描いたライナスの毛布は、

それなしでは、彼の人生は味気ないものだった。




基本的に、物や人に依存するのはあまり好きではないけれど、

一度きりと言われている人生は、楽しくなければやはり意味がない。




さて、33歳を迎え、いろんな人の話を聞いてひとつ感じることは、

何もしないで後悔するよりも、

やってみて後悔したほうが良い、ということ。

人生が冒険だとしたら、なおさらだ。


 
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2008年02月17日

究極。

 
 
去年の暮、お世話になっているイケコミ先にて…
 
 
「今度オープンする阪急メンズ館に出店するので、
 
 またアイロニーさんに是非とも店内装花をお願いします…」
 
 
  
神様のようなお言葉の主は、とあるアパレル企業の重役さん。  
 
その会社は、大阪発の一流セレクトショップ、
 
ストラスブルゴを東京,名古屋と続々と展開しながら、
  
クラシコイタリアを代表する高級ブランド、
 
キートンの直営店も次々に出店している、という
 
誰がどう見てもノリにノッている会社である。
 
もちろん大阪の各ショップにはアイロニーの装花。
 
 
 
僕は今までの経験から、多くの分野の商品においては、
 
一番良いものが一番売れるものではない、と思っていて、
 
しかしその一方で、とことん良いものを追求していけば、
 
たとえ少数派であっても、必ず理解してくれる人たちがいて、
 
ビジネスとして必ず成立する、と信じている。
 
 
 
つまりビジネスで成功するには2つのタイプがあって、
 
コストをとことん下げて、不特定多数を囲みこむ量販店型と
 
品質を優先させて、特定の顧客の心を掴む専門店型とに大きく分類され、
 
ストラスブルゴやキートンといったショップは明確に後者の道を進んでいて、
 
そして花屋における我々アイロニーが目指すところも、
 
まさしくこの類のショップである。
 
 
 
これは単に敷居を上げるということではなく、
 
こだわりを持った方に、こだわったものを、
 
こだわったサービスで提供していきたい、ということなのだけれど、
 
この形態を成立させる為には、それ相応の責任が伴い、
 
なかなかの信頼と裏付けされた品質がなくてはならない。
 
 
 
異業種ではあるけれど、学ぶべきところの多い、
 
宝石箱のようなスバラシイお店たち…
 
 
 
STRASBURGO大阪店
大阪市西心斎橋1‐1‐11
06‐6243‐7842
 
Kitonヒルトンプラザ店
大阪市北区梅田1‐8‐16
06‐4796‐0351
 
Kiton阪急百貨店メンズ館店
大阪市北区角田町7‐10阪急メンズ館3F
06‐6131‐0535


 
 
 
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2008年02月25日

アリガタミ。

 
 
一週間ぶりのコーヒーはたまらなくウマかった。
 
五臓六腑に沁みわたる、とはよく言ったもんだ…
 
 
 
その訳は先週、不覚にも体調を崩して寝込んでしまって、
 
仙人のような食生活を余儀なくされていたからだ。
 
 
 
しかし痛いほどに健康のアリガタミと、
 
カタオカを始め、スタッフのアリガタミを感じた一週間だった。
 
あいまいな記憶の中、かろうじて食べることの出来た、
 
持って来てもらった冷凍ミカンの味は忘れられないな。
 
 
 
おかげさまでようやく復活したんだけれど、寒い日が続く。
 
今この気候に相応しく、ひとりのアーティストが来日している。
 
彼女の母国アイスランドはもっと寒いんだろうな。。
 
世界の歌姫、ビョークだ。
 
 
 
確か僕がビョークの世界に強烈に引き込まれたのは、
 
彼女が映画に初主演した“ダンサーインザダーク”
 
あたりからだと記憶している。
 
 
 
その映画は、気軽にお勧めできないほどにヘヴィな話だけれど、
 
ビョークは、彼女の表現する“音楽”というものが、
 
どんな闇をも照らす強い力を持っている、ということを、
 
強烈すぎるほどに表現し、キラキラと輝いて見えた。
 
見終えた後しばらく、映画館で動けなかったことを覚えている。
 
 
 
彼女の原点は、アイスランドの大自然にあるという。
 
その独特の地形や環境は、ビョークに限らず、
 
独創性のある多くの芸術家を生み出している。
 
やはり人格の形成には環境が大きく作用するんだ。 
 
 
 
雑誌Cutの編集長、渋谷陽一氏は見事に言い放った。
 
 
 
「ビョークがいる。だから世界は美しい。」
 
 
  
 

 
  
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2008年02月29日

笑顔と花。

 
相変わらず雪の舞う毎日だけれど、桜の蕾は確かに成長していて、
 
それらしく、徐々に卒業や餞別のご注文が増えてきた。
 
こうしてまた、いつものように季節は移ろいゆき、
 
別れと出会いが交差する…そんな季節がやってくる。
 

 
僕自身、人並みに数々の別れや出会いに遭遇していくにつれて、
 
別れというものに、あまり抵抗を感じなくなってきていて、
 
けれどもそれはたぶん、心が冷えて鈍感になったからではなく、
 
本当に大切な人間関係というものは、
 
いわゆる物理的な別れが訪れようとも、
 
決して崩されるものではない、ということが判ってきたからだ。
 
 

さて、別れの先には新しい始まりがあるのだから、
 
寂しい気持ちはグッとこらえて笑顔や花の別れがいい。
 
希望を胸に、前を向いて旅立つ時だからこそ…
 
 
 
 

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