知恵袋。
それは一般的にお婆ちゃんにのみ、持つことを許されたリーサルウエポンであり、
残念ながらお爺ちゃんには、ない。
例えば昔バイト先にいた洗い場のばあさんは、仕事終わりに僕が顔を水で洗ってると、
「よこちゃん、水よりもお湯で洗ったほうがサッパリすんでぇ。」
と、グッドアドバイス。なるほど、さらっとサッパリだ。
しかしながらこれは、別にこのばあさんが留学中、士官学校時代に培った、
皮膚に付着した油脂を分解するお湯の温度の知識を備えているからではなく、
はたまた幼少期に秘かに宇宙人に埋め込まれた人工知能が起動したからでもなく、
自らの人生経験の賜であることに他ならない。
あのばあさんは、このテの引き出しはとても豊富だった。
当時から10年以上経つが、いまだに彼女の言葉を思い出して助けられることがある。
ありがたや。。
花屋という業界は、他の業界と比べると横のつながりが強く、
その中には、大先輩である重鎮が存在する。
そして往々にして、為になるアドバイスをこそっと、決して押し付けがましくなく、
しょうもないオヤジ下ネタの合間なんかに教えてくれたりする。
転職したての頃は、競合相手である花屋同士の仲の良さに、
不可解な業界だと思ったものだけれど、日が経つにつれ徐々に理解出来るようになった。
困った時にセンパイ方にはお世話になることも多いし、
やはり年長者は敬わなければいけないなあ、と素直に思う。
ただ、諸先輩方が朝の市場の端で日向ぼっこしている姿を見ていると、
将来の自分達の姿を見てるような気がして、ちょいと複雑…
ああなりたいような、なりたくないような…
母の日の御予約、続々受付中です。
今年はラウンドアレンジで、感謝の気持ちを。。。